私の制作の根幹は、唯一「生きる」。
現代社会は個人や人間関係においても、閉塞感に包まれている。文明が発展し、物質的には豊かになり、ただ生きることはできる。
しかし、「本当の豊かさや幸せとは何か」という根本は麻痺し、人間の精神は内へ内へと向いている。
人間、最後は死ぬのである。
生死は、容赦のない現実にあるのだからこそ、真っ直ぐに己を貫くのである。
死をも吹き飛ばす生命感溢れる、拓く「花」や「樹」を今こそ描かなければならない。
2012.2 石井誠
私(私たち)はなぜ生きているのだろうか…
「死ぬ」とはどのような感覚なのだろうか…
この2つの意識が私の脳裏を駆けめぐる。
生きていくことの難しさ、「死」への恐怖…死後の世界はどのようなものなのか。
この答えのない永久的な問いは、私を苦しめ、また生きていく活力になり、制作へと導く。
「書く」という行為を通して、何を表現しようとしているのか。
作品は「現実(いま)」を生きている私の自画像であり、遺書のようなものだ。
作品を通して、人間が生きていることの「美」を垣間観ていただければと思う。
2011 石井誠